ヴィーガンとベジタリアンの必須栄養素



日本ではまだヴィーガンやベジタリアンの医療的情報が少ないと思うので、みなさんが健康的に安全にヴィーガンやベジタリアンを続けていけるように、今回は栄養士的なアドバイスを書いていきたいと思います。

エシカルファッション、エシカルイーティング、エシカルライフスタイルなどが注目され、ヴィーガンやベジタリアンを始める人が増えてきていますね。

とても良い傾向だと思います。

それでもご自身や、ご家族などヴィーガンやベジタリアンの必須栄養素や、安全性が気になる方も多いと思います。


ヴィーガン、ベジタリアンダイエットで最も気になる栄養素は


今回はこの4つの栄養素に注目してみましょう。


・タンパク質(プロテイン)

タンパク質は20種類のアミノ酸から構成されています。そのうち9種類の必須アミノ酸は体内で合成できないので食品から摂取する必要があります。

1日に必要なタンパク質の摂取量は海外のRDA(1日の摂取推奨量)では、運動をしない成人は体重1kgあたり0.8kg、運動を趣味でする人は1kgあたり1kg、持久力アスリートで1.2-1.4kgとされています。

現代人はタンパク質の過剰摂取の傾向になり、動物性のタンパク質の過剰摂取は腎臓結石や癌の原因にもなりやすいので注意が必要です

ヴィーガンは乳製品、卵も摂取しないダイエットなので、大豆製品を頻繁に摂取しない14歳以上のヴィーガンは、植物性の食品は吸収率が低い食品も多く含むため、10~20%タンパク質の摂取を増やしたほうがいいとされています。

体重1kgあたり1kgと覚えておくと簡単です。

ベジタリアンは大豆製品、卵や乳製品を両方かどちらかを摂取するので、タンパク質の摂取の増量の心配はありません。

脂質、炭水化物の配合のバランスの優れた植物性の高タンパク質食品は

ひよこ豆、キドニー豆、白インゲン、レンズ豆、豆腐、アーモンド、カシューナッツ、パンプキンシード、白ゴマペースト、キヌア、オーツ、ライ麦、アマランス、ブロッコリー、ケール、マッシュルーム、ほうれん草、ニンジン、などです。

ヴィーガン、ベジタリアンの方は1日の食事で、意識して様々な種類の植物性の食品をバランスよく食べることで9種類の必須アミノ酸も補い合え、栄養失調も防いでいけます。


・カルシウム

日本のカルシウムの摂取基準量は2020年版では成人男性では700mg-800mg、女性では650mgと設定しています。

牛乳や乳製品を取らないヴィーガンやオボベジタリアンの方達はカルシウムをドクターや家族から心配されることがあったりすると思いますが、プラントベースダイエットがメインの比較的貧しい開発途上国の人たちのほうの骨が強いという事実をご存知ですか?

実は動物性のタンパク質や塩分の過剰摂取は、摂取したカルシウムが尿で排出する量を増やし、カルシウム不足や骨粗鬆症のリスクも増加させてしまいます。

理想のカルシウムとタンパク質の摂取比率は16:1、理想の塩分摂取は2400mg以下とされています。

カルシウムは野菜に沢山含まれていて、牛乳を飲まなくても強い骨を作ることは十分可能です。

カルシウムが高く配合されている食品は

チンゲン菜、ブロッコリー、オクラ、ケール、ローメインレタス、白菜、海藻、ひじき、ひよこ豆、白インゲン、木綿豆腐、テンペ、栄養強化プラントミルク(豆乳、アーモンドミルク、カシューミルク)、アーモンドバター、白ゴマペースト、モラセスシロップ、いちじく、オレンジなどです。

栄養強化されているシリアルなども上手に取り込むと良いと思います。

自宅で作るホームメイドのアーモンドミルクや豆乳は美味しいですが、カルシウム量は栄養教科されているものと違い、代用にならないので、お子様がいる方は特に注意が必要です。

ビタミンDもカルシウムの吸収に大きな影響を与え、ヴィーガン、ベジタリアンの食事での摂取が難しいためサプリメントや栄養強化食品を活用し、太陽の光を沢山浴びて補いましょう。


・鉄分

鉄分は月経中、妊娠中の女性にはとりわけ必要なミネラルです。鉄分はヘム鉄分と無ヘム鉄分に分かれていて、植物性の鉄分は全て無ヘム鉄分といい、残念ながら吸収率の悪い鉄分なんです。それでもビタミンCなどと一緒に摂取すると吸収率が上がるので、意識してビタミンCの多く含まれる食品と組み合わせて摂取するようにしましょう。キャストアイロンや銅鍋の使用も鉄分を増加させると言われています。逆にコーヒーや紅茶、緑茶、ほうれん草、たけのこ、レタス、チョコレートなどに多く含まれるシュウ酸は鉄分の吸収を妨げるので摂取量に気をつけたい食品です。

鉄分の多く含まれる植物性の食品

あずき、レンズ豆、ひよこ豆、キドニー豆、枝豆、大豆、豆腐、カシューナッツ、パンプキンシード、キヌア、シリアル、ケール、マッシュルーム、いんげん、ジャガイモ、アプリコット、いちじく、モラセスシロップなどです。

これらの食品にはヴィーガン、ベジタリアンの必須栄養素のひとつの亜鉛も多く含まれています。


・ビタミンB 12

ビタミンB12は、赤血球を正常にする手助けをしてくれ、脳や脊髄、神経系の機能にとって必須ビタミンです。ビタミンB12はホモシステインという体の毒物も綺麗にしてくれる大切な役目を果たしています。

長期にわたるビタミンB12不足は、統合失調症や将来的に痴呆症も引き起こします。

ビタミンB12は実は水や野菜についた土、動物の体内などの”微生物”が作り出すビタミンであり、衛生面がとても厳しくなっている先進国では、野菜は綺麗に洗ってから売られているのが当たり前、お水も綺麗に浄水されたお水が飲めるので、ビタミンB12を作り出す微生物が取り除かれてしまっているので、ヴィーガンやベジタリアンのビタミンB12の食品からの摂取は難しく、サプリメントや栄養強化食品で補う必要があります。

ビタミンB12欠乏症はヴィーガン、ベジタリアンが多く摂取する葉酸がカバーするため、すぐに症状が見られないことが多いので注意が必要です。

残念ながら海藻や発酵食品である味噌やテンペなどに含まれてるとされるビタミンB12は類似体であり、ビタミンB12と同じ働きをしないのでサプリメントやニュートリショナルイースト、シリアルやプラントミルクなどの栄養強化食品の摂取を怠らないようにしましょう。



これらの栄養素をきちんと補えていれば基本的にヴィーガン、ベジタリアンダイエットは安全です。

個人的な話をすると、私はNear Vegetarianで、ほぼベジタリアンですが、たまにはお魚やチキンなどは食べています。

100%でベジタリアンをしていた時に体調が優れなくなってしまい、今は80/20ルールで80%プラントベース、20-10%チキンや魚介などを夕食に摂取するというダイエットをしています。


ヴィーガン、ベジタリアン、マクロビが体質に合う方もいればそうでない方もいます。


ゴールは自分の体質にあった方法で環境保護に貢献し、健康的で生き生きとした体を維持していくことです。


ヴィーガン、ベジタリアンをこれからはじめてみたいと思っている初心者の方もぜひ参考にしてみてください。